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 労働契約について

 契約の締結:採用

 契約締結に当たっての規制

経済活動の自由は保障されており、その一環としてなされる労働契約の締結は、その会社の自由に行うことができます。
したがって、会社がどのような人を採用しようとも、それは全くその会社の自由です。

ただし、以下のように、不当な採用差別や明らかに労働者にとって不利な取り決めは、規制されています。

・国籍、信条、社会的身分による差別の禁止

・男女同一賃金の原則
  女性であること、または男性であることを理由に賃金を差別してはなりません。
  仕事の内容や勤務形態による違いは問題ありません。

・損害賠償予定や違約金の禁止
  予め金額を定めることは禁止されています。
  実際に社員の故意や過失による損害に対して、損害賠償を請求することは差し支えありません。

・強制貯蓄や協定によらない社内預金の禁止

・3年を超える契約期間の禁止
  一定の例外を除き、契約期間を定めるときは3年が限度となります(※下記参照)
  いわゆる正社員は「期間の定めがない」契約を結んでいることになっています。

※平成15年法改正により最長1年となっていた契約期間を3年に引きあげました。ただし、経過措置により、当分の間、1年以上の労働契約を結んでも、1年を経過した日 以降であれば、やむを得ない場合以外の理由でも、申し出て退職することができます。

・前借金相殺の禁止

 

 「内定」の取扱い

「採用の予定」「内々定」ということを本人に通知しているのみの場合は、まだ確定的な合意ではなく、後日何らかの正式決定があることが予測されるという状態なので、その取消があっても労働者は保護されません。

しかし、必要書類の提出や入社日の通知、入社前研修の案内など、会社が採用確定の意思を表示したと認められる行為があれば、それ以降は労働契約が締結されたとみなされ、その取消は解雇にあたり、正当な理由がない限り取り消しはできません。

 

採用Q&A

Q.採用選考過程において提出を求めることが制限される書類の範囲はありますか?


使用者には契約締結の自由があり、よって採否の判断資料を得るための労働者の労務遂行能力や適性について調査を行う自由もみとめられています。

とはいえ無制約ではなく、近年は個人情報や私生活をみだりに公表されないという権利が確立するなどプライバシー保護が強化されており、調査事項についてもかなり制約されてきていると言えます。

また、職業安定法や厚生労働省の行政指導においても、採用過程における使用者の情報収集について制限を加えています。

したがって、採用に当たり提出を求める書類も労働能力・適正の判断に必要なもの等業務の目的達成に必要な範囲のものとし、これを超えるようなものは提出を求めないようにすべきでしょう。



Q.入社試験・面接で尋ねてはいけない質問は、どのようなものですか?


応募者の適正、能力の判断に必要のない調査事項についての質問は避けるのが望ましいでしょう。

とは言うものの、採用するにあたっては応募者の適正・能力のみではなく、社風・人柄との相性等も重要な要素となるのが現実です。

そうしてみると、採用面接にあたり、応募者の適正・能力や業務内容に関連すること以外に質問をする必要がある場合も多く、そのような質問が一概に違法となるとは言えません。

使用者としては、企業の評判や応募者とのトラブルを回避するためにも、常識的な限度・内容の質問にとどめるべきであり、また、質問方法に工夫をする等、慎重に対応する必要があります。



Q.募集における年齢制限はありますか?


年齢制限は原則禁止となっています。

ただし、一定の年齢の者を雇用する必要がある場合や、年齢制限に合理的理由がある場合もあるため、雇用対策法では年齢制限が認められる例外事由を規定しています。

年齢制限を設ける場合、事業主は、求職者に対してその理由を書面や電子媒体により提示することが義務づけられています。

適正な理由の開示を行わないときは報告の徴収、助言、指導、勧告がなされます。



Q.不採用の理由を不採用者に説明する必要はありますか?


説明しなければならない法的義務はありません。

使用者には契約締結の自由があり、どのような基準をもって採否を決定するかは使用者の裁量にゆだねられているため、不採用の理由を説明する必要はありません。

しかしながら、公正な採用選考の実施という観点から言えば、問い合わせがあった場合には不採用理由を説明することが望ましいかもしれません。



Q.採用内定者に労働契約の内容を明示する時点はいつが適切ですか?



本来、採用内定時が契約締結時となりますので、採用内定時点ですべての労働条件が確定し明示されていることが必要です。

しかしながら、新規学卒者の採用内定の場合は入社から半年近くも前になされるのが通常であり、その時点で初任給や従事する業務、就業の場所などを確定するのは困難であること、採用内定を労働契約の締結の成立と解するのは、採用取り消しから内定者の法的地位を保護することに主眼があることからすると、採用内定時に確定が困難な労働条件については、遅くとも入社時までに労働契約の内容の明示をすれば足りると解されています。



Q.新卒内定者に入社前の研修を命じることはできますか?


新卒内定者に入社前の研修を命ずることは可能です。

しかし、新卒内定者は在学中の学生であることから、研修の実施にあたっては、内定者の学業等を阻害しないよう配慮することが求められます。

また、研修の不参加を理由に内定を取り消すなど、内定者に対して不利益に取扱いをすることは許されません。



Q.採用内定時に提出させる「入社誓約書」とはどのようなものですか?


採用内定者に対し、入社の意思を確認するものとして提出を求める文書です。

通常は使用者が、内定者に対して採用内定通知書とともに「入社誓約書」を送付し、記載内容に合意する形で署名をしてもらい提出を求めるのが一般的です。

記載内容については一般的に、内定者が所定の時期に間違いなく入社することのほか、内定の取り消し事由を列挙して、これに該当した場合は取り消されても異議はない旨が記載されています。(必ず提出させなければいけないものではなく、提出を求めなくても構いません)

一般的には入社誓約書の提出により採用内定が成立するものが多いですが、しかし、この提出がなければ採用内定が成立しないというわけではありません。



Q.入社時に提出させる「誓約書」とはどのようなものですか?


誓約書は労働契約の効力発生のために必要なものではなく、提出させることで社員としての自覚を促し、また、その後の使用者と労働者間の紛争を防止するための文書です。

内容については、誠実勤務の誓約、人事異動を含む就業規則その他諸規定の遵守、秘密保持・競業禁止などが記載されるものが一般的で、これに合意する形で署名をしてもらい提出を求めます。



Q.採用時に交わす身元保証契約とはどのようなものですか?


身元保証契約とは、使用者と身元保証人との間において、採用される労働者本人の行為によって使用者が被ることのある損害について、賠償することを保証させる契約のことです。

保証人には、両親、親族のほか、親族以外の者を求める場合もあり、複数名の保証を求める場合もあります。

身元保証書には、労働者本人が会社に与えた一切の損害を保証する、といった内容で記載されるなど、身元保証人に広範な責任を負わせる形式になっている場合が多くありますが、実際には身元保証人の責任を適正範囲にとどめるため、「身元保証ニ関スル法律」で以下のような制限を設けています。

1)期間
身元保証契約の期間は5年を超えることができず、これより長い期間を定めても5年に短縮される。
期間をさだめなかったときは、原則として3年とされる。

2)更新
身元保証契約の更新は、締結時より5年を超えることができない。

3)損害賠償金額の限定
身元保証人の損害賠償責任は、使用者の過失の有無、身元保証を引き受けるに至った経緯、身元保証人の注意の程度、労働者の任務・身上の変化等一切の事情を考慮して裁判所が決定する。

4)上記1)から3)の点について、身元保証人にとって不利な特約をしても、その特約は無効とされる。







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